＜ユニバーサル駅伝＞障害の有無超え７年後へ 東京で開催

＜ユニバーサル駅伝＞障害の有無超え７年後へ　東京で開催

毎日新聞 9月29日(日)19時17分配信

第６回おおたユニバーサル駅伝大会で、たすきリレーをする選手たち＝東京都大田区の大田スタジアムで２０１３年９月２９日、西本勝撮影

　障害の有無や世代を超えてたすきをつなぐ「ユニバーサル駅伝」が２９日、第６８回国民体育大会「スポーツ祭東京２０１３」のデモンストレーション種目として東京都大田区の大田スタジアムで開催された。同駅伝は誰もが参加できる東京発祥のスポーツ。発案したＮＰＯ法人理事長の李節子さん（６５）は開会式で「五輪とパラリンピックをつなぐ大会を実現できたら」とあいさつし、２０２０年の東京五輪・パラリンピックに夢を膨らませた。

　同駅伝は、小学生▽６０歳以上▽視覚障害者▽車椅子使用者▽フリースタイル（誰でも可）−−の各部門から、主催者が１人ずつ選び５人１組のチームを編成。１区間約１キロの５区間を走ったり歩いたりしながら目標タイムを目指す。チームには大学生や専門学校生のチームマネジャーと中高生の伴走サポーターがつく。その日に出会った人たちがスポーツを通して交流し、互いの違いを理解し合う。

　０２年に新宿区で始まり、０８年からは李さんの地元・大田区で「おおたユニバーサル駅伝」として毎年開催。全国に広げようと１０年、ＮＰＯ法人「ジャパン　ユニバーサルスポーツ・ネットワーク」を設立し、青森県などでも同趣旨の駅伝が実施されるようになった。

　以前から「夢は五輪とパラリンピックをつなぐ、世界中の人々が参加する大会」と語っていた李さん。東京の五輪閉幕からパラリンピック開幕までの期間に、両大会に出場する選手やボランティアが、国籍や障害の有無、世代を超えて、一緒に東京の街を駆け抜けられれば−−。そんな願いを抱きつつ「誰もが同じフィールドに立てる『ユニバーサルスポーツ』の心地よさを世界に発信したい。まずは日本で全国展開していきたい」と話す。

　この日は、選手やボランティア約６００人が参加。３０チームに分かれ、中高生が耳の聞こえない人と筆談したり、車椅子の人を介助したりする姿もみられ、たすきをつなぐたびに笑顔がこぼれた。

　陸上と自転車競技でパラリンピック出場経験がある視覚障害者の葭原（よしはら）滋男さん（５０）は「毎年新しい仲間ができるのがユニバーサル駅伝のいいところ」。手に握ったたすきで葭原さんを誘導しながら走った高校１年の杉本英里子さん（１５）は「目の見えない人をサポートする時は、周りをよく見ることが大事だと分かった」と話した。【山本浩資】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130929-00000030-mai-soci
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