＜９党幹事長討論会＞改憲の国民投票「厳格に」と石破氏

＜９党幹事長討論会＞改憲の国民投票「厳格に」と石破氏

毎日新聞 6月29日(土)22時1分配信

討論を終え、記念撮影に応じる自民党の石破茂・幹事長（左）ら＝大阪市中央区で２０１３年６月２９日午後３時５８分、小関勉撮影

　与野党９党の幹事長・書記局長らによる討論会（関西プレスクラブ主催）が２９日、大阪市で開かれた。改憲の発議要件を緩和する９６条の先行改正について、自民党の石破茂幹事長は賛成の意向を示したうえで「国民投票のハードルを上げることはあってしかるべきだ」と指摘。国会による発議後に改正の賛否を問う国民投票の成立要件として投票率の条項を加えるなど、厳格化も検討すべきだとの認識を示した。

　石破氏は、発議要件を衆参両院の３分の２以上とする規定について「衆参のどちらかの３分の１が反対すれば、国民の多くが望んでも権利を行使できない」と指摘。国民投票を重視する考えを示したうえで「投票率が半分で、その半分の（全有権者の）２５％で改正できて良いのか。厳格にしなければならない」と述べた。発議要件の緩和で時の政権に都合の良い改憲が可能になるとの批判を意識したとみられる。

　しかし、自民党以外で先行改正に賛成したのは維新国会議員団の松野頼久幹事長のみ。公明党の井上義久幹事長も「硬性憲法としての基本は守るべきだ」と慎重姿勢を示し、民主党の細野豪志幹事長は「３分の２の賛成を得られる努力をすべきだ」と述べた。

　将来的に「原発ゼロ」を目指すかどうかを巡っては、石破氏を除く８党が目標とする方針を表明。石破氏は二酸化炭素の排出を抑えた火力発電や再生可能エネルギーの推進を掲げ「原発依存度は下げる」と理解を求めた。細野氏は原発輸出について「安倍晋三首相を筆頭に政治家が積極的に売って回るのは違和感がある」と批判した。

　消費税率の引き上げに対しては、共産党の市田忠義書記局長が「国民の審判を経ていない」と反対を表明。石破氏は「財政が健全化しないと社会保障は保てない。（増税から）逃れることはしない」と必要性を強調したが、来年４月に８％へ引き上げるかどうかは「４月から６月期の景況を見ないとなんとも言えない」と明言を避けた。

　道州制については、自民、公明、民主、維新、みんなの党などが賛成の意向を示した。みんなの江田憲司幹事長は「道州制は市町村中心だ」と強調、国の権限の自治体への移譲を求めた。石破氏は「地方、過疎地、中山間地、財政窮乏地域がどうなるのか明確に見えない」と議論を深める必要性を強調した。

　討論会には、生活の党の小宮山泰子国対委員長、社民党の吉田忠智幹事長代理、みどりの風の亀井亜紀子幹事長も出席した。【高橋恵子、念佛明奈】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130629-00000093-mai-pol
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