＜愛知女性殺害＞不明１カ月後、父にメール…容疑者送信か

＜愛知女性殺害＞不明１カ月後、父にメール…容疑者送信か

毎日新聞 8月31日(土)10時42分配信

　愛知県春日井市の無職、大森規子（のりこ）さん（当時３５歳）が２００９年６月に殺害されたとされる事件で、大森さんの行方が分からなくなって１カ月後の同年７月ごろ、大森さん所有の携帯電話から父親にメールが届いたことなどを根拠に、県警春日井署生活安全課が事件性のない「一般行方不明者」として処理、４年間放置していたことが分かった。メールは、３０日に殺人容疑で逮捕された舩戸（ふなと）勝章容疑者（４４）＝浜松市中区＝が大森さんが生存しているように見せかけるための工作だったとみられる。県警は同課の判断が適切だったかどうか、当時の署幹部らから聴取するなどして慎重に調べる方針。

　舩戸容疑者の容疑は、同県岡崎市の当時の自宅で０９年６月１日ごろ、交際相手の大森さんと女性問題で口論となり、大森さんを絞殺したとされる。県警の調べに容疑を認め、今月２９日には供述通り、同市内の山林から大森さんの遺体の一部が発見された。

　関係者によると、０９年７月ごろに父親へ届いたメールには「そのうち帰る。捜索願なんて出さないで」と書かれていたという。メールが届いた後の７月２１日、父親は春日井署に捜索願を出した。

　しかし、同署生活安全課は、大森さんは家を空けることが多かった▽捜索願がすぐに出されなかった▽メールが届いた−−などを理由に、舩戸容疑者から一度も事情を聴かず、「事件性なし」と判断。殺人事件などを担当する同署刑事課などに大森さんに関する情報を伝えなかった。

　その後も岡崎市の舩戸容疑者の自宅近くから大森さんの車が見つかったり、１０年に大森さんの運転免許証が失効したりするなど、事件性をうかがわせる情報が寄せられたが、生活安全課は判断を変えなかった。今年５月、県警捜査１課が失踪を知ったことから事件として捜査が始まった。

　大森さんの父親は取材に「最初から事件だと思っていた。何度か舩戸容疑者の自宅を訪ねたが、『大森さんは（他人が）迎えに来た車に乗って去った』などとうそをつかれた」と厳しい表情で話した。【岡大介、三上剛輝】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130831-00000018-mai-soci
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